医療度が高く、在宅復帰を目指す老人保健施設や要介護4~5のターミナルの方が入所をする特別養護老人ホーム・また、経済的に余裕のある利用者さんが多い有料老人ホーム他、高齢者施設の求人もとても増えております。 看護師さんの中には急性期の病院での忙しい業務に疲れて、ゆっくり利用者さんとかかわりを持てる高齢者施設へ転職した方が、もっとやりがいを持ってお仕事が出来るのでは?と期待して転職をされる方もおります。 高齢者施設が合う看護師さんも多い反面、こんなはずじゃ!と入職後、違和感を持つ看護師さんもおります。 ここでは、高齢者施設がどの様な感じかまとめてみたいと思います。
老人保健施設への転職
老人保健施設は介護度1~5の利用者さんが介護保険を使って入所しています。 基本的には入所から3ヶ月で自宅復帰が出来るようリハビリに励んだり、様々な疾患があっても医師の管理の基、病気をコントロールしながら入所しています。 但し、3ヶ月で退所出来ない利用者さんの方が多くいらっしゃるのが実情のようです。 なお、認知症病床を作っている施設も多く、認知の入所者さんの拘束などはもちろん行わないのが通例の為、看護師さん、介護士さんが業務を行う上で様々な工夫や苦労があると伺っております。 また、介護保険を利用していても月々かかる費用は10万円台~高い所ですと40万円を超える施設もありますので、高級な施設になるほど利用者さんやご家族への言葉遣いやマナーと言った接遇も厳しい物を求められてきます。 特別養護老人ホームは介護度が高く、年齢も80歳以上の高齢者さんが入所待ちをしているので、すぐ入ることが出来ず、有料老人ホームはホームは運営会社により特色はあるものの、利用者さんの疾患で入所の限定が有り、全ての在宅介護困難者を受け入れる事が出来ない為、老人保健施設が受け皿にならざるを得ません。 そんな老人保健施設は医師がホーム長や施設長として勤務しており、優秀な先生も数多くいらっしゃいますが、70歳に手が届く先生が、とにかく居ればいいと言う事でやや暴走している事も少なくありません。 あまり適切でない薬の投薬や利用者さんの状態の判断などで、看護師さんが戸惑う事もあります。 その為、病院での看護経験が少ない看護師さんが老健施設に転職をすると、医療的な判断で誤った業務を行ってしまう事もありますので、注意が必要です。 また、介護士さんが看護師さんの5倍は居ますので、パワーバランスも病院とは全然違います。 発言権の強い介護士さんと業務を上手く分担しながら、コミュニケーションを取って仕事をしていく事が求められます。 介護士さんのお仕事を手伝うのは一見良さそうにも思えますが、既に出来上がっている業務の線引きを越えて介護の仕事を多く手伝うと、今度は看護師さんからその業務は介護士さんの業務なのでやらない事!と注意を受ける場合もあります。 やり過ぎると自分達も業務の幅が増えるといった事に対してのお叱りです。 最初に、今まで実際に伺った事がある問題点を列記しましたが、上記は特別なケースもありまして、業務にも慣れてくると病院とは違った、利用者さんとの関わりも持てますし、急性期病院の様にバタバタしていませんので、業務にゆとりが出て、やりがいにつながる事も事実です。 一つ言えます事は老人保健施設は十分な病院での看護経験とコミュニケーション能力を最大限に活用し、どの程度の介護業務が看護師に求められるかをしっかり確認をした上で入職する事をお勧め致します。